Medieval European Campagne

MOD製作日誌のようなもの。MODを作るときの流れをつかんでいただければと。

EU2はMODが誰でも簡単に作れます。そして、自分で作ったシナリオが動いているのを見るのは、なかなかの快感です。このwikiの中にも、MODページの下段に、「MODの作成方法」というとてもいいページがあるので、是非ごらんください。

0、はじめに

シナリオ「オットーの戴冠」は、ルートヴィヒ幼童王死後の、東フランク王国分解の危機から、オットー大帝によるローマ帝国建国までをシミュレートすることが目標です。

うたい文句としては、

プレイヤーはザクセン公となって、バイエルン公、シュヴァーベン公といったライバルを屈服させ、ドイツに覇権を築きましょう。オットー大帝の治世には、イタリアを征服し、ローマ皇帝の冠を戴くのです!

といったところでしょうか。

ただし、MODを一から作るのはめんどいので、既成のMODを利用することにします。 今回は、ajifuというMODを母体として利用することに決めました。 君主データはほぼこのMODから頂きました。ただし、このMODは1.08対応なので、 テキストデータは自分で新規に作り(というかバニラにちょこっと手を加えただけですが )、1.09でプレイできるようにしました。

1、勢力配置

さて、作成開始です。まずはドイツの勢力配置を考えます。当時のドイツは、複数の公領により 分割統治されていました。この公の内の一人が、選挙・血統原理によって ドイツ王に選ばれます。

公領は主に、ザクセン・フランケン・シュヴァーベン・バイエルン・ロートリンゲンの 5つに分けられます。911年にルートヴィヒ幼童王が死に、カロリング家の血筋が途絶えると、 ドイツ王位は、フランケン公のコンラートが継承しました。世に言うコンラート1世です。 しかし、このコンラートの治世は苦難続きでした。ロートリンゲンを西フランク王に奪われ、 さらにザクセン・シュヴァーベン・バイエルンの各公が王国からの分離・独立を伺う始末。 特に東方のスラヴ人からの防衛をほとんど独力で行えるほどのザクセン公の力は脅威でした。 918年、コンラートは死の淵に望み、自らの後継者をザクセン公ハインリヒ狩猟王(オットー大帝の父親)としました。 これはザクセンの王国からの分離・独立を阻止するためであったといいます。 王に与えられていた後継者指名の特権をこのような形で行使せざるを得なかったコンラートの 胸中を思うと、無念やるかたないですね。

このような背景から、私は当時のドイツを、5つの公領による連合として表現することにしました。 ドイツ王位をもっている公家が、他の4家を属国&同盟国とする形ですね。また、ドイツ王位継承の 際にはイベントで各公家(これら公家が選帝侯という設定)との友好度を上げ、ヒストリカルな ドイツ王位(ゲーム上は神聖ローマ皇帝位)継承の実現を狙います。

というわけで、ゲーム開始時(918年2月)のドイツ情勢。

918ドイツ.JPG

これは、シナリオの編集・作成ページの全体設定、詳細設定、国家設定をドイツの5カ国に限って決定した状態です。ちなみに、このままでもゲームはできます。ただし、COTをひとつも設置していないと、ゲーム開始後すぐにおちてしまうので注意。今回はホルシュタイン州にCOTを設置しています。

あとよく起こるバグとして、国家設定の欄の「owned province」と「controlled province」とその直後にくる「city」情報の食い違いが挙げられます。これがあると、シナリオ読み込み時にいきなり落ちます。なのでここはバックアップをとりながら慎重に行うことをお薦めします。バックアップをとらずに一気にいくつもの国家を設定して、それで読み込めない、どの国家設定が原因かわからない、ということになるとかなりまずいことになります。後は陸軍のIDの重複なんかもよくありますが、こいつはウインドウで知らせてくれるし、「無視」することでシナリオ自体は読み込めるので、比較的軽いバグの部類にはいるかと思います。海外で落としてきたMODなんかだとこのIDの重複が結構あったりします。

それから各州のIDはOrionis' mapsを参照のこと。MOD製作者必携の図です。



で、この後は周辺国をそれなりにリアルっぽく作っていくことにします。

まず、なんといってもイタリア王国、ブルゴーニュ王国、教皇領の三つ。 これらはオットー大帝の事績と直接に関わってきますから作らないわけにはいきません。 そしてお隣、西フランク王国。これがハインリヒ狩猟王やオットー大帝の戦いを妨害するように作れれば ゲームとして面白くなってくるでしょう。

それからスラヴ人、マジャール人そしてノルマン人。こいつらの強力な軍事力をどうゲーム上で 表現するか。また、オットー大帝の事績のハイライトともいうべきレヒフェルトの戦い。 これをどうするかが、さしあたっての課題ですね。

周辺国はajifuからほとんど流用で、こんな感じに作ってみました。あとはDark Agesとかも参考にしてます。

ヨーロッパ全図。バルカンではシメオン1世統治下のブルガリア帝国が隆盛を誇っています。こちらも「オットーの戴冠」と並行していい題材になりそうな予感。

918ヨーロッパ.JPG

ちなみにインドや中国とかは作る予定ありません。 各勢力に領地を割り振って、勢力ごとの君主ファイルを用意するのに ほぼ丸二日かかりました。結構流用しているとはいえ、やはりMOD製作は大変。

2、各勢力の詳細を設定

前回、各勢力のMAP上の配置を終えました。次は、各勢力の詳細な設定に移ります。具体的には、

国内政策、宗教、主要文化、経済力(支配領域の基本税収、人口設定)、初期兵力

などを決めていきたいと思います。

国内政策

国内政策はDBの「country」というエクセルファイルか、SCENARIOS内にある各国のINCファイルのどちらかで設定します。正直エクセルは使いづらいので、私はいつもINCファイルのほうで設定を行っています。

今回、国内政策は以下のグループごとの特徴を出せるように設定したいと思います。

・カトリック圏(ドイツ、フランス、イギリス)

・正教圏(おもにビザンツ)

・イスラーム圏

・異教圏(マジャール人、スラヴ人、ノルマン人)

まず軍隊の強さですが、

異教圏=イスラーム圏>正教圏>カトリック圏

という風にしたいと思います。当時はカトリック圏の軍事力は微々たるもので、ノルマン人やマジャール人、イスラーム勢力にいいようにやられていた時代なので、こいつを表現したいですね。異教圏には「自由農民制」や「攻撃主義」からくる士気ボーナスをふんだんに与えて野戦でカトリック圏に対して優位にたてるようにしたいです。

カトリック圏は、貴族政治・地方分権・保守を特徴として下記のように。

   aristocracy = 8
   centralization = 0
   innovative = 0
   mercantilism = 5
   offensive = 5
   land = 5
   quality = 5
   serfdom = 8

これをベースに各国いじっていく予定(辺境防衛を一手に担っていたザクセンなどはちょい軍隊が強かったり)。

んで、カトリック・ドイツのライバル異教圏は

   aristocracy = 8
   centralization = 0
   innovative = 0
   mercantilism = 5
   offensive = 8
   land = 5
   quality = 5
   serfdom = 1

と、こんな感じに。貴族政治〜重商主義までのスライダーは暫時で、軍事に関するものを優先して決めてみました。君主による補正値を除くと、こんだけ士気の差が生じます。

<左がフランケン公軍、右がスラヴ人国家>

モラル.JPG

いい感じです。イスラーム圏も異教圏と同じくらいの強さを与え、正教圏はカトリックと同等か、ややうえくらいの感じにしたいですね。

あとイスラームやビザンツはカトリックよりも中央集権・革新寄りに設定します。

宗教

国家の宗教は、各国のINCファイルで設定することができます。

また、各州ごとの宗教は、今回はデフォルトから大幅に改変せねばならない(北欧・東欧はほとんど異教になる)ため、新たにprovince用のINCファイルを作成し、読み込むようにプログラムしました。

で、適当に割り振って、こんな感じに。この辺は地味な作業が続くので嫌になります。

宗教.JPG

問題のサヴァ河のスラヴ人国家は、ハンガリーに食わせた状態にすることにしました。で、半分カトリック、半分異教という扱い。ボヘミアは、多分もうカトリックに改宗しているはずなので、カトリックで、ただし首都プラハ以外は異教という扱い。イスラムも、もうちょい細分化するんだったらファーティマ朝やブワイフ朝を作って、ここの領域はシーア派ってやるといいかもしれない。でもまあドイツにはあんまり関係ないからこれは後回しになるとは思いますが・・。

主要文化

とりあえず、ドイツは細分化します。これによって、各大公を外交併合するメリットを減じる(封建制を表現するために、プレイヤーは各大公領を直轄化するのではなく、属国として使ったほうがおいしい、というようにしたい)ためと、そもそもこの時代に「ドイツ人」なるものは存在せず、あったのは「フランク人」であり「バイエルン人」であり「ザクセン人」、「アレマンニ人」であったためです。「ドイツ人」としての意識が醸成されてくるのはもっと後のことになります。

なので、ドイツは各大公領ごとに文化を設定します。

ザクセン→ザクセン
フランケン→フランク
ロートリンゲン→フランク
シュヴァーベン→アレマンニ
バイエルン→バイエルン

てな感じでしょうか。あとは、北欧勢はノルマン、東欧勢はギリシア、マジャール、スラヴ、ポーランド、ルーシなんかを適当に、イタリアはajifuを参考に、北をガロ・ローマン、南をローマンという区分にする予定です。

経済力

初期兵力

シナリオ開始時の各国の兵数です。これは通常、各国のINCファイルの後ろのほうで設定されます。それぞれの部隊にIDが割り振られていて、重複するとバグが発生するので注意。

この初期兵力は結構悩みどころ。例えばドイツなんですが、この時代は常備軍なんてないわけで。国王といえどもそんなに軍隊を動員できたわけではないんですよね。オットー大帝がマジャール人を殲滅したレヒフェルトの戦いを見ると、ドイツ軍はなんとたったの8000騎(一応全部重騎兵みたいですが)。一方のマジャール人は軽騎兵ですが50000人(多少おおげさに書かれているのかもしれませんが)。帝国全軍を集めているはずなのに8000騎っていうのはどういうことなんだろうと思います。しかも、どうもオットー自身が連れてきたのはたったの1000騎のようで、後は他の大公の軍とのこと。ちなみにバイエルン大公は3000騎を引き連れての参戦。まあ直接マジャールの脅威にさらされているのは彼なわけで、この数字は大公が動員できる最大数に近いんじゃないかと私は思います。とすると各大公の初期兵力は騎兵3000くらいが妥当ということになりますが、ゲーム的にはいかにも少ないしどうしたもんかなあ・・。

あとはデンマークを始めとするノルマン人がどれくらいの兵力を動員できたのか、中々資料がなくてよくわからないんですよね。こいつも悩み中だったり。


添付ファイル: file宗教.JPG 111件 [詳細] fileモラル.JPG 116件 [詳細] file918ヨーロッパ.JPG 121件 [詳細] file918ドイツ.JPG 114件 [詳細]

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Last-modified: 2008-03-15 (土) 02:23:02